技能実習生の面接から入国まで|5ヶ月のスケジュールと選抜基準
技能実習生の受入れを検討するとき、最初に知っておくべきはスケジュールです。 面接から入国まで、およそ4ヶ月。 入国後もすぐには働けません。約1ヶ月は監理団体のもとでの研修期間で、この間は雇用契約もありません。
技能実習生の受入れを検討するとき、最初に知っておくべきはスケジュールです。
面接から入国まで、およそ4ヶ月。 入国後もすぐには働けません。約1ヶ月は監理団体のもとでの研修期間で、この間は雇用契約もありません。
つまり、面接から現場に立つまで5ヶ月以上かかります。
「人手が足りないから実習生を」と考えて動き始めても、その穴は半年近く埋まりません。 ここを見誤ると、計画が崩れます。
この記事では、実際のスケジュールと、面接の進め方を書きます。当社は建築・内装業で、タイとインドネシアから受け入れています。
書き手は、従業員約50人の会社で総務部長を兼任し、受入れ実務を担当しています。
スケジュールの全体像
当社の実績をもとにした流れです。

| 時期 | 内容 | 会社の状態 |
|---|---|---|
| 0ヶ月 | 監理団体の選定・契約 | ― |
| 1ヶ月目 | 求人条件の確定、書類準備 | ― |
| 2ヶ月目 | 現地面接 | ― |
| 2〜6ヶ月目 | 在留資格の申請、現地での事前講習 | 待ち |
| 6ヶ月目 | 入国 | まだ働けない |
| 6〜7ヶ月目 | 監理団体での研修(約1ヶ月) | 雇用契約なし |
| 7ヶ月目 | 配属・就労開始 | ようやく戦力 |
面接から入国まで約4ヶ月。 そこから研修が1ヶ月。
なぜ4ヶ月もかかるのか
面接で内定を出した後、次の手続きが必要になります。
- 技能実習計画の認定申請
- 在留資格認定証明書の交付申請
- 現地での日本語事前講習
- ビザの発給、渡航手配
書類の審査に時間がかかります。 そして現地では、入国前に日本語の講習を受けます。この期間は短縮できません。
入国後1ヶ月は働けない
見落とされやすいのがここです。
入国後、約1ヶ月は監理団体のもとで研修を受けます。 日本語、生活ルール、法令、安全衛生。この期間は雇用契約が始まっておらず、会社の指揮下にありません。
つまり、入国=就労開始ではありません。 現場に配属されるのは、そのさらに1ヶ月後です。
採用計画を立てるときは、面接から6〜7ヶ月後に戦力化すると見てください。
面接は、一度に10人前後
面接の進め方も、日本の中途採用とはかなり違います。

候補者が10人前後まとめて用意され、その場で選考します。 2〜3名を採用する場合、10人程度の候補者と会うことになります。
一人ずつ日程を調整して、というやり方ではありません。現地で、まとめて実施します。
短時間で判断することになる
10人を1日で見るということは、一人あたりに使える時間は限られます。
日本の中途採用のように、経歴を深掘りして人柄を探る、という進め方はできません。言語も違います。通訳を介するため、やり取りの密度も下がります。
限られた時間で何を見るかを、事前に決めておく必要があります。
監理団体のテストが、判断材料になる
ここが監理団体選びに関わる点です。

監理団体によっては、面接前に候補者へテストを実施しています。
| テスト | 分かること |
|---|---|
| 体力テスト | 現場作業に耐えられるか |
| 学力テスト | 基礎的な理解力、計算力 |
| 日本語テスト | 入国時点でどの程度話せるか |
これがあるかないかで、面接の精度がまったく変わります。
短時間の面接では、体力も学力も分かりません。数値で出ているものがあれば、面接ではそれ以外の部分に集中できます。
選定時に確認すべき項目
監理団体を選ぶ段階で、「面接前にどういうテストをしているか」を確認してください。
実施していない団体もあります。その場合、判断材料は面接での印象だけになります。10人を短時間で見て、印象だけで3人を選ぶのは、かなり難しい。
これは費用や実績には表れませんが、採用の質に直結します。監理団体の選定については別記事で扱っています。
何を見るか
テスト結果がある前提で、面接で見るべき点を挙げます。
1. 日本に来る理由が具体的か。 「お金を稼ぎたい」は当然として、その先に何があるか。帰国後に何をしたいのか。目的が具体的な人ほど、途中で崩れにくい傾向があります。
- 家族の状況。 送り出す側にも事情があります。本人の意思だけでなく、家族が納得しているかどうかは、その後の定着に関わります。
- 体力と手先。 職種によりますが、当社は内装の表装作業です。手先の作業に向いているかどうかを見ます。体力テストの結果があれば、そこも参照します。
- 日本語への姿勢。 現時点の能力より、学ぶ意思があるかどうかを重視しています。入国後に伸びる人と、止まる人がいます。
- 質問をしてくるか。 一方的に答えるだけの人より、こちらに質問してくる人のほうが、入国後も自分から動きます。
書類が多い。フォローの有無で負担が変わる
面接が終わってからも、事務作業が続きます。
監理団体へ提出する書類が、想像以上に多い。 そして書式も内容も、初めて見るものばかりです。
- 技能実習計画に関する書類
- 受入企業の体制に関する書類
- 雇用条件書、賃金の内訳
- 宿舎に関する書類
- 実習指導員、生活指導員の選任
書き方に戸惑うことが何度もありました。
ここでも監理団体の差が出る
書類の作成をどこまでフォローしてくれるかは、団体によって違います。
雛形を渡して終わりの団体と、記入例を示しながら一緒に埋めてくれる団体がある。 初めての受入れでは、この差が決定的です。
そして質問したときにすぐ返ってくるかどうか。 書類の提出には期限があります。返答を3日待つと、その分だけ全体が遅れます。
監理団体を選ぶとき、コミュニケーションの取りやすさを軽視しないでください。 費用や実績のような数字には出ませんが、受入れ実務の負担を最も左右する要素です。
これから受け入れる会社へ
1. 面接から戦力化まで6〜7ヶ月。 面接から入国まで4ヶ月、入国後の研修が1ヶ月。急な欠員の対策にはなりません。
- 入国後1ヶ月は雇用契約がない。 監理団体のもとでの研修期間です。入国=就労開始ではありません。
- 面接は10人前後を一度に。 2〜3名採るなら、その規模で候補者が用意されます。短時間で判断することになります。
- 監理団体のテストの有無を確認する。 体力・学力・日本語のテスト結果があるかどうかで、面接の精度が変わります。
- 書類のフォロー体制を確認する。 提出書類は多く、書式も独特です。フォローの有無が、そのまま総務の負担になります。
よくある質問
面接から働き始めるまで、どのくらいかかりますか
当社の実績では、面接から入国まで約4ヶ月、入国後に監理団体での研修が約1ヶ月です。面接から現場に立つまで5ヶ月以上、準備期間を含めれば6〜7ヶ月を見てください。
入国したらすぐ働けますか
働けません。入国後、約1ヶ月は監理団体のもとで研修を受けます。この期間は雇用契約が始まっておらず、会社の指揮下にありません。
面接は何人くらい会いますか
2〜3名を採用する場合、10人前後の候補者が用意されます。現地でまとめて実施するため、一人あたりに使える時間は限られます。
短時間で何を見ればいいですか
日本に来る理由が具体的か、家族が納得しているか、日本語を学ぶ姿勢があるか、こちらに質問してくるか。加えて、喫煙・飲酒の習慣は必ず確認してください。社風や社宅の管理に関わります。
監理団体のテストは参考になりますか
体力テスト、学力テスト、日本語テストの結果があれば、面接ではそれ以外の部分に集中できます。実施していない団体もあるため、選定段階で確認してください。
急な欠員の対策になりますか
なりません。面接から戦力化まで半年以上かかります。中長期の人員計画として考えてください。
この話の、実例を持ち寄る場があります。
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