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社内DX 2026.08.18公開 · 10分で読める

rakumoカレンダーの導入判断|Googleカレンダーの限界と比較

「前の方が見やすかった」 Google Workspaceに移行して、最初に社内から出た声がこれでした。不満が集中したのはカレンダーです。 当社はもともとLINE WORKSのカレンダーを使っていました。

rakumoカレンダーの導入判断|Googleカレンダーの限界と比較

目次全7章
  1. 前提:Googleカレンダーは「個人の予定管理」の設計
  2. 足りなかった3点
  3. LINE WORKSからの移行で、後退した部分と改善した部分
  4. rakumoカレンダーを追加で買った
  5. rakumoのワークフローとボードは買いませんでした
  6. 検討している方へ
  7. よくある質問

「前の方が見やすかった」

Google Workspaceに移行して、最初に社内から出た声がこれでした。不満が集中したのはカレンダーです。

当社はもともとLINE WORKSのカレンダーを使っていました。Google Workspaceへの移行にあたってLINE WORKSは解約したのですが、カレンダー機能については明確に後退した部分がありました。

結果として、rakumoカレンダーという別製品を追加で購入しています。Google Workspaceの費用に上乗せする形です。

この記事では、Googleカレンダーの何が組織利用で足りなかったのか、なぜ有料の追加製品を買ったのか、そして同じrakumoの他製品をなぜ買わなかったのかを書きます。

書き手は、従業員約50人の建築・内装会社で総務部長とIT部長を兼任しています。前職はシステムエンジニアを約15年。

前提:Googleカレンダーは「個人の予定管理」の設計

先に、公平な整理をしておきます。

Googleカレンダーは、機能が不足しているわけではありません。設計思想が違うだけです。

Googleカレンダーは、個人が自分の予定を管理し、必要に応じて他人と共有するという発想で作られています。この前提では非常によくできています。

一方、日本の会社がグループウェアのカレンダーに求めるのは、部署全員の予定を一覧で把握し、空いている時間と場所を押さえるという使い方です。組織の側から見る発想です。

この2つは、似ているようで別物です。当社が困ったのは、後者の使い方をしようとしたときでした。

足りなかった3点

1. 他人の予定が「予定あり」としか見えない

初期状態では、他のメンバーの予定を開いても詳細が表示されません。 表示されるのは空き状況だけです。

Googleカレンダーで足りなかった3点の図解

誰と、どこで、何をしているのかが分からない。外出中なのか、社内で打ち合わせ中なのかも区別がつきません。

これは全員が共有設定を変更すれば解決します。ただし、全員分です。

35人に「カレンダーの設定を開いて共有範囲を変更してください」と依頼し、全員が完了したかを確認する。これは想像以上に手間がかかります。そして新しく入社した人が設定するとは限らないので、放っておくと未設定の人が増えていきます。

管理者側から一括で設定する方法もありますが、そこに辿り着くまでにも調べる時間が必要でした。

2. 部署メンバーの予定を横並びで見られない

これが最も大きい問題でした。

部署の10人の予定を、横に並べて一覧したい。 日本の会社では、ごく普通の使い方だと思います。誰が空いているか、今日誰が外出しているかを、一目で把握したい。

Googleカレンダーにも複数人の予定を重ねて表示する機能はありますが、人数が増えると実用に耐えません。判別しづらく、「部署の状況を見渡す」という用途には向いていません。

繰り返しますが、これは欠陥ではありません。個人の予定管理として設計されているので、そうなっているだけです。

3. 会議室の空き状況を一覧で押さえられない

会議室の予約も同じ構造でした。

日本の会社でよくあるのは、今週の会議室の埋まり具合を見て、空いているところを押さえるという使い方です。部屋を縦軸、時間を横軸にした一覧表を見たい。

Googleカレンダーの施設予約は、予定を作る過程で会議室を選ぶという流れになっています。予定が先で、部屋が後です。

「まず空きを見たい」という発想とは順序が逆で、慣れるまで違和感がありました。

LINE WORKSからの移行で、後退した部分と改善した部分

当社の場合、比較対象はGoogleカレンダー単体ではありませんでした。それまで使っていたLINE WORKSのカレンダーとの比較です。

両面を書いておきます。

後退した部分

上に挙げた3点は、LINE WORKSでは問題になっていませんでした。 グループウェアとして設計されているため、一覧性は最初から確保されています。

Google Workspaceへの移行でチャットとWeb会議は統合できましたが、カレンダーについては機能が落ちました。ここは事実として書いておきます。

改善した部分

一方で、解消された不満もあります。

人から登録された予定を、自分で変更できませんでした。 LINE WORKSでは、他のメンバーが自分の予定に入れた会議を、自分の側で時間変更や削除ができない場面がありました。日程が動くたびに、登録した人に依頼する必要がある。

Googleカレンダーでは、招待された予定の扱いに自由度があります。細かい点ですが、日常的に効きます。

Google Workspaceに移って得られたもの

カレンダーとは別に、移行そのものによる効果もありました。

予定を作るとMeetのURLが自動で発行されます。 会議のたびにURLを発行して貼り付ける作業がなくなりました。

そして会議後、その予定に議事録が紐づきます。「あの会議の記録はどこか」を探す必要がなくなる。これは想定していなかった効果でした。

これらはrakumoの機能ではなく、Google Workspace側の効果です。混同しないよう分けて書いておきます。

rakumoカレンダーを追加で買った

上記の3点を解消するために、rakumoカレンダーを導入しました。Google Workspaceのカレンダーの上に、組織向けの表示と操作を載せる製品です。

導入時期は、Google Workspaceとほぼ同時でした。LINE WORKSからの移行で機能が落ちることが事前に見えていたため、最初から組み込む前提で検討しています。

費用は上乗せになります

見栄えの悪い話ですが、rakumoはGoogle Workspaceとは別に、ユーザー単位の費用が発生します。

つまり当社は、Google Workspaceの月額に加えて、カレンダーのためだけに追加費用を払っています。

Google Workspaceの導入を検討している会社に伝えたいのは、「Google Workspaceを入れれば全部揃う」とは限らないということです。日本の組織的な使い方を求める場合、追加製品が必要になる可能性があります。予算を組む段階で、この可能性を織り込んでおくべきです。

それでも買った理由

追加費用を払ってでも導入した理由は、代替手段がなかったからです。

後述しますが、当社は「自作できるものは自作する」方針で進めています。しかしカレンダーの表示と操作性は、Googleカレンダーの中核機能そのものです。外側から作り直せる範囲を超えています。

そして、カレンダーは全社員が毎日使います。ここが使いにくいままだと、Google Workspace全体への評価が下がります。移行そのものが失敗と受け取られかねない。

毎日使うものへの投資は、費用対効果が計算しやすいという判断でした。

価格については、複数社に見積もりを取ってください

もう1点、実務的な話を書いておきます。

rakumoもGoogle Workspaceも、販売代理店を経由して契約できます。 そして販売元と直接契約する場合と、代理店を経由する場合とで、条件が変わることがあります。

具体的な数字はここには書きません。契約によって条件が異なり、一般化できないためです。

ただし、サブスクリプションは人数×月数で積み上がります。 わずかな差でも、50人・5年で見れば無視できない金額になります。

契約前に、複数の窓口から見積もりを取ってください。 これだけで判断材料が増えます。手間としては数日で済む作業です。

rakumoのワークフローとボードは買いませんでした

ここが、この記事で最も伝えたい部分です。

「買う」と「作る」の線引きの図解

rakumoにはカレンダー以外にも、ワークフロー(稟議・申請の電子化)やボード(社内掲示板)といった製品があります。当社はカレンダーだけを購入し、他は買っていません。

理由:GASで作れると判断したから

ワークフローと掲示板は、Google Apps Script(GAS)で実装できる範囲だと考えました。

スプレッドシートをデータの置き場にして、フォームで申請を受け、承認のフローを組み、通知を飛ばす。掲示板も同様です。Google Workspaceの中で完結する構成が組めます。

実際に、社内ポータルサイトをGASで構築し、その中に必要な機能を載せています。この話は別記事で詳しく扱う予定です。

「買う」と「作る」の線引き

製品選定で毎回問われるのが、この判断です。当社は次のように線を引いています。

判断 理由
カレンダーの表示・操作性 買う 中核機能そのもの。外側から作り直せない
ワークフロー・掲示板 作る Google Workspaceの標準機能の組み合わせで実装できる

判断基準は単純です。「対象製品の中核に手を入れる必要があるか」です。

カレンダーの一覧表示を変えるには、カレンダーそのものを作り直すことになります。これは現実的ではありません。

一方、ワークフローや掲示板は、Google Workspaceの外側に載せる仕組みです。データの入れ物と画面を用意すればよく、既存機能の組み合わせで足ります。

この判断ができる条件

ただし、この線引きは誰にでもできるものではありません。

GASで社内システムを組むには、プログラムを書く必要があります。当社の場合、私が前職でシステムエンジニアを15年やっていたため、自作という選択肢が取れました。

社内に書ける人がいない会社は、素直に製品を買うべきです。 自作したものは、作った人がいなくなると誰も保守できません。外注して作らせるくらいなら、製品を買ったほうが安く、確実です。

自作が有利なのは、社内に書ける人がいて、その人が今後も在籍する見込みがある場合に限られます。

検討している方へ

まとめます。

検討している方への3つの確認の図解

1. Google Workspaceのカレンダーは、日本の組織的な使い方には向いていません。 機能不足ではなく、設計思想の違いです。個人の予定管理としては優秀です。

  1. 追加製品が必要になる可能性を、予算に織り込んでください。 「Google Workspaceだけで全部揃う」とは限りません。
  1. グループウェアからの移行では、機能が落ちる領域があります。 チャットやWeb会議は統合できても、カレンダーは別です。移行前に、いま使っている機能を棚卸ししてください。
  1. すべてを製品で揃える必要はありません。 中核機能に手を入れる必要があるものは買う。外側に載せるものは作れる可能性がある。ただし社内に書ける人がいる場合に限ります。

よくある質問

Googleカレンダーは、そんなに使いにくいのですか

機能が不足しているわけではありません。個人が自分の予定を管理する道具としては優秀です。部署全員の予定を横並びで見る、会議室の空き状況を一覧で確認するといった組織的な使い方に向いていない、というのが正確な表現です。

追加製品を入れずに、設定で解決できませんか

他のメンバーの予定を詳細まで表示する件は、共有設定の変更で解決します。ただし全員分の設定が必要で、新しく入った人が設定するとは限りません。一覧性と会議室の空き確認については、設定では解決しませんでした。

rakumo以外の選択肢はありますか

Googleカレンダーを組織向けに拡張する製品は他にもあります。当社が比較検討したのは限られた範囲なので、選定にあたっては複数を確認してください。この記事は特定製品を推奨するものではありません。

費用はどのくらい上乗せになりますか

ユーザー単位の課金です。Google Workspaceの月額に加算される形になります。金額は契約条件によって変わるため、複数の窓口から見積もりを取ることをおすすめします。

ワークフローや掲示板も、まとめて買ったほうが楽ではないですか

社内にプログラムを書ける人がいなければ、そのほうが確実です。当社が自作を選んだのは、それらがGoogle Workspaceの外側に載せる仕組みであり、既存機能の組み合わせで実装できると判断したためです。自作したものは、作った人以外が保守しにくくなります。

LINE WORKSから移行すると、機能は落ちますか

カレンダーについては落ちます。グループウェアとして設計された製品なので、一覧性は最初から確保されています。一方でチャットとWeb会議は統合でき、招待された予定の扱いには自由度が増しました。移行前に、いま使っている機能を棚卸ししてください。

この話の、実例を持ち寄る場があります

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